映画『世界から猫が消えたなら』のあらすじ・キャスト・ネタバレ・見どころと感想までご紹介!

映画『世界から猫が消えたなら』 世界から猫が消えたなら
引用:映画ナタリー

2016年に公開された日本映画『世界から猫が消えたなら』は、余命わずかと宣告された青年が悪魔と契約し、世の中から大切な物を消す代わりに1日の命を得るという物語。
しかし、思い出の品が失われると記憶も書き換えられ、何が本当に大事かを問い直す感動的なヒューマンストーリー。
原作小説は2012年に発行されて本屋大賞にノミネートされ、2016年3月時点で101万5000部を発行。物が消える体験を通じて主人公が大切なものに気付くというテーマが、映画と小説の両方で展開されており、観客や読者に感動と考えさせる要素が含まれている作品。

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映画『世界から猫が消えたなら』の作品情報

公開日2016年5月14日
上映時間103分
監督永井聡
キャスト佐藤健、宮崎あおい、濱田岳 ほか
原作川村元気
脚本岡田惠和
制作国日本
制作市川南
主題歌HARUHI:『ひずみ』
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映画『世界から猫が消えたなら』の登場人物(キャスト)

僕:佐藤健
余命宣告を受けた主人公。
大切なものを消得ていくことで、命の尊さや大切なものについて考え成長する。

悪魔:佐藤健
悪魔は主人公に契約を提案し、大切な物を消す代わりに1日の命を与える。
物語の鍵を握り、主人公の選択に影響を与え、成長を促す存在。

彼女:宮崎あおい
主人公の元恋人。
彼女との思い出が、僕に大切なものを気づかせるきっかけになる。

ツタヤ:濱田岳
僕の親友。
映画好きで、僕に映画を紹介し、交友を深めていく。

トムさん:奥野瑛太
ミカ:石井杏奈
父さん:奥田瑛二
母さん:原田美枝子

映画『世界から猫が消えたなら』
引用:映画ナタリー
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映画『世界から猫が消えたなら』の簡単なあらすじ

余命わずかと宣告された青年が、自分と同じ姿の悪魔と契約して展開する物語です。主人公は大切な物を悪魔によって世界から消す代わりに、1日の命をもらうことになります。しかし、消えゆく物とともに記憶も書き換えられ、彼は喪失と向き合いながら何が本当に大切かを考え始めます。

主人公の僕は、北海道で郵便配達員として働く30歳の男性です。ある日、僕は脳腫瘍で余命わずかと宣告されます。すると突然僕の前に、自分と同じ姿の悪魔が現れます。悪魔は、僕に「大切なものを1つ消すことで、1日分の命を延ばすことができる」という取引を持ちかけます。
僕は、寿命を伸ばすために悪魔と取引します。
しかし大切なものや人とのつながりを消えていく中で、自分自身を見つめ直し、人生の意味や本当に大切なものは何かについて考え始めます。

感動的なヒューマンストーリーとして、観客は彼とともに命の意味と大切なものについて深く考えさせられる物語となっています。

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映画『世界から猫が消えたなら』の見どころ

見どころ①:本当に大切なものは何か

この映画は命の尊さや、人生の中で本当に大切なものについて改めて考えさせられる作品となっている。
自分の命と引き換えに、毎日大切なものが消えていく日々を過ごす主人公の僕。
僕は、大切なものを消していくことで、命の尊さや、親友・元恋人・家族・愛猫などかけがえのない存在の大切さを実感していく。
この世界から、大切なものや人が消えるとどうなるのか、自分がいなくなることでこの世界にはどのような変化があるのか。
生きていく意味を改めて考えさせられる作品。

見どころ②:僕の成長と葛藤

主人公の僕の成長と葛藤がリアルに描かれている点も見どころ。
寿命と引き換えに、大切な消えゆく物と向き合いながら、悲しみの中にも必死に生きる姿が演出されている。
喪失と向き合いながらも、彼が自らの人生について新たな理解を得る様子は、見ている人の感情にも訴えかけるものになっている。

映画『世界から猫が消えたなら』
引用:映画ナタリー

見どころ③:演技と演出

最後の見どころは役者の演技と演出。
世界からものがなくなる瞬間と、人々の記憶や生活から物がなくなる瞬間は物語の雰囲気を一気に変えてくれる。
特に、物が消えるシーンや登場人物の感情表現は圧巻で、映画を通して見られる独自の表現は心に残ります。

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映画『世界から猫が消えたなら』のあらすじ・ネタバレ

あらすじ①:余命宣告と悪魔の契約

主人公の僕は、北海道で郵便配達員として働く30歳の男性。
ある日、配達の自転車での帰路、頭痛に襲われ倒れる。診断の結果、進行した脳腫瘍で手術が不可能と告げられる。
傷ついて帰宅した僕の家に、飼い猫のキャベツと自分と同じ姿の謎の男性がいた。その男が自分のことを悪魔と名乗る。
悪魔は、僕が考えていることや状況をすべて言い当て、寿命が明日であることも僕に告げる。そして悪魔は主人公に「世界から何か一つのものを消すことで寿命を一日伸ばすことができる」という取引を持ちかける。消すものは悪魔が選ぶ事になっており、僕はその取引を受け入れた。
悪魔が最初に消すことにしたのは電話であった。電話は僕に取って元彼女との出会いや思い出となっている大切なものであった。悪魔は電話が消える前に最後に誰か選んで電話をかけて良いと伝え、僕は元彼女を選ぶ。
用事は特になかったが、元彼女と電話し、久しぶりに会うことになる。

映画『世界から猫が消えたなら』
引用:映画ナタリー

あらすじ②:消えゆくもの記憶・電話

翌日、映画館のミナト座で元彼女と再会する。
「なぜ電話したの?」と問われると、僕は「もし世界中の電話が消えるとしたら、最後に誰にかけるか考えてかけた」と答えた。

彼女との出会いは電話であった。実家のリビングで親友のツタヤから借りた「メトロポリス」を視聴中、電話がなりそこで初めて彼女と話した。たまたま彼女からの間違い電話が僕のところにかかってきたが、たまたま彼女も「メトロポリス」が好きでその音が聞こえて話が弾む。たまたま同じ大学という点も重なり、徐々に距離を縮めた2人は交際することになった。

久々に会った2人は喫茶店でお茶をし、僕は脳腫瘍で長くは生きられないことを伝えた。
お茶が終わり、彼女を家まで送り届けて電車で帰路につく僕。すると突然電車内に悪魔が現れ、その場で電話を消してしまった。
自分の電話はもちろん、人々の電話が全て消え、それと同時に電話で出会った彼女の記憶から僕との思い出も消えてしまった。
世界からものが消えることで、過去の運命も変わってしまったのだ。

あらすじ③:消えゆくもの記憶・映画

電話がなくなり、悲しみに暮れる僕に悪魔が「次は映画を消そう」と告げる。
映画は、僕にとって大学時代の親友ツタヤとの友情を作ってくれた大事なものであった。
ツタヤはDVDレンタルショップで働き、台の映画好きであった。僕にも次々と彼のおすすめの映画を貸してくれ、映画をきっかけに友好をふかめていった。
そんな映画が、次は消える。
僕は最後に見る映画を決めるため、ツタヤのお店に行き相談するが、ツタヤは一つなんて決められないと言う。そこで僕は、ツタヤに病気でもう長く生きられないことを伝えた。
するとツタヤは必死に最後に見るべき映画を探してくれたが、悪魔が映画を消してしまった。
ツタヤのDVDレンタルショップは本屋さんに変わり、映画館のミナト座は空き地となってしまった。
ツタヤとの友情のきっかけとなっていた映画が消えたことで、同時に彼の記憶から僕の思い出もなくなってしまった。

映画『世界から猫が消えたなら』
引用:映画ナタリー

あらすじ④:喪失と向き合いながらの成長

大学時代に彼女と行ったアルゼンチン旅行に僕の記憶が遡る。
そこで日本人バックパッカーのトムさんと出会う。トムさんには観光案内や共同の食事などで心のこもったもてなしをしてもらった。
トムさんの旅立ちの日、二人に見送られて雑踏へ消えていくトムさんの異変に気づいたのは彼女だった。トムさんはトラック事故にまきこまれ、そのまま亡くなってしまった。
トムさんの死に2人は衝撃を受け、大きな滝の前で彼女は「生きてやる」と叫ぶが、その声は滝の音にかき消される。トムさんが死んでもこの世界は何も変わらないことに絶望をしながらも、彼女は強く生きることを決断する。
僕は何も言えず、帰りの駅では言葉を交わすこともなかった。しかし、この思い出もトムさんに出会わなければ存在しなかったことになる。

そして、次に消されるのは時計だった。実家の父が経営するカモメ時計店の看板も、道路から姿を消してしまった。
家族との思い出の一つが消え、家族との記憶を思い出す。
幼少時、母親が猫アレルギーながらも僕が拾った猫を買うことを承諾してくれ、レタスと名付けた。そんな優しい母が病気の際に父は見舞いに来なかった。それ以後父を許せず実家へ帰らなくなった。

悪魔が次に消すものは猫だと告げられた。猫が消えると聞き、病気の母親との家族旅行の思い出が蘇る。母は当時から病気で、いつなくなっても良いように遺書のようなものを僕に渡そうとしたが、躊躇しそれを受け取ることができなかった。

映画『世界から猫が消えたなら』
引用:映画ナタリー

あらすじ⑤:最後の日

そんな思い出を遡っていて、眠りから冷めた僕は、キャベツが見当たらないことに気づく。大雨の中外を探し回るも、見つからない。
落胆して家に帰宅すると、ポストの上にキャベツがいた。キャベツを家に入れようとするが、ポストに一通の手紙があることに気づく。それは、旅行のときに受け取らなかった母からの手紙であった。
母からの手紙に胸が熱くなった。
そして僕は悪魔にお礼をつたえた。悪魔は疑問そうな表情を浮かべた。僕にはこの世界で本当に大切なものを教えてくれたからだ。そして、悪魔と思っていたのは、もう1人の自分。死を受け入れられないもう1人の僕との内なる対話が続いていただけであった。
消えたと思っていたものは、時計も映画も何も消えてはいなかった。
僕はキャベツを連れて家を出る。元彼女の元へ行き話していると、母が僕が大変なときに渡してほしいと元彼女に渡していたものだと知る。

気づくと、海辺に立っていた。そこに背後から悪魔が忍び寄る。振り返らずに、「ありがとう」と悪魔に告げた。
続けて、悪魔に対して内なる僕であることと、猫を消すことはできない、と伝える。

こうして、自分の病気と向き合い、僕は人生で本当に大事なものは何かを考えることができ、微笑んだのであった。

映画『世界から猫が消えたなら』
引用:映画ナタリー

映画『世界から猫が消えたなら』まとめと感想

当たり前のことを一番大事にしなさい、という言葉は生きていれば何度も聞くと思いますが、実際にそれを体現すること、深く考える機会は少ないのではないかと思います。
病気をきっかけに、当たり前のこともそうではないことも何が本当に自分にとって大切なのか、を考えるきっかけを与えてくれる作品だと思いました。
自分に置き換えながら見てみると、より一層この作品のメッセージが伝わると思います。
興味ある人はぜひ見てみてください!

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映画『世界から猫が消えたなら』予告