映画『グリーンブック』のあらすじ・キャスト・ネタバレ・見どころと感想までご紹介!

映画『グリーンブック』 グリーンブック
引用:映画『グリーンブック』公式X

映画『グリーンブック』は2018年にアメリカで制作された、実話をもとにした映画で、アカデミー賞5部門にノミネートされ、全世界で注目を集めた作品です。 黒人差別がまだ色濃く残る1962年のアメリカを舞台に、二人の男の友情を描いた物語になります。 制作には物語の主要人物であるトニー・バレロンガの息子が携わり、監督はピーター・ファレリーが務めました。

映画『グリーンブック』の作品情報

公開日2019年3月1日
上映時間130分
監督ピーター・ファレリー
キャストビゴ・モーテンセン、マハーシャラ・アリ ほか
原作Green Book
脚本ニック・バレロンガ ブライアン・カリー、ピーター・ファレリー
制作国アメリカ

映画『グリーンブック』の登場人物(キャスト)

トニー・“リップ”・バレロンガ:ビゴ・モーテンセン
ドン・シャーリーという黒人ピアニストの運転手兼ボディガードを務めるイタリア系アメリカ人。
作中では、アメリカ南部の人種差別に直面しながらも、シャーリーを守り、彼の音楽活動を支える役割を果たす。

ドクター・ドナルド・シャーリー:マハーシャラ・アリ
ジャズピアニストの天才として知られる黒人男性。
アメリカ南部のツアーで、人種差別に直面しながらも音楽活動を続ける人物。
トニーと出会い、彼との友情を通して人種を超えた理解を深めていきます。

ドロレス:リンダ・カーデリニ
オレグ:ディミテル・D・マリノフ
ジョージ:マイク・ハットン

【その他キャスト】
セバスティアン・マニスカルコ
P・J・バーンP・J・バーン

映画『グリーンブック』
引用:映画『グリーンブック』公式X

映画『グリーンブック』の簡単なあらすじ

『グリーンブック』は、黒人ピアニストのドクター・シャーリーと、彼を運転する白人用心棒トニー・リップの実話に基づく映画です。
アメリカ南部における人種差別を、2人の友情を通してリアルに描いた作品となります。

物語は、カーネギーホールを住処とし、ホワイトハウスでも演奏したことがある天才黒人ピアニストのドクター・シャーリーが、ノースカロライナ州グリーンズボロで開催されるコンサートツアーに出演するところから始まります。
シャーリーは、ツアーに同行する運転手兼ボディガードを探していました。そこで、ニューヨークのナイトクラブで用心棒を務めるイタリア系アメリカ人のトニー・バレロンガの評判を嗅ぎつけ彼にオファーします。

2人は、アメリカ南部をドライブしながら、ツアーを進めていきますが、南部では黒人に対する人種差別が根強く残っていました。シャーリーはレストランに入れてもらえなかったり、ホテルに泊まれなかったり、暴行を受けたりと、さまざまな差別に直面します。
そのシャーリーをトニーが支えながらツアーを最後までやりきるという、人種差別問題や友情をテーマにした、感動的な作品です。

映画『グリーンブック』
引用:映画『グリーンブック』公式X

映画『グリーンブック』の見どころ

見どころ①:アメリカ南部における人種差別の描写

1962年のアメリカ南部を舞台としており、当時のアメリカ南部では、黒人に対する人種差別がかなりなされていました。
作中では、シャーリーが、レストランやホテルに入れなかったり、暴行を受けたりと、さまざまな差別に直面する様子が描かれます。
現代に生きる私たち日本人では想像もできないほど過酷なものもあり、映画ではそのような差別、当時のアメリカ社会がいかに不条理なものであったかを、リアルに描き出しています。
今の時代が、どれだけ恵まれているかを考えさせられます。

見どころ②:トニーとシャーリーの友情

トニーとシャーリーは真反対の正確で、最初は全く折が合いませんでした。
粗野で口が悪いトニーに対し、シャーリーは知的で洗練されている人物でした。
しかし2人は、シャーリーのツアーを通して、お互いの価値観を知って認め合い、次第に友情を深めていきます。
象徴的な心情の変化として、トニーは、シャーリーの音楽や人柄に触れ、人種差別に対する考えを改めます。一方、シャーリーは、トニーの優しさや勇気に触れ、人種を超えた理解の大切さを学びます。
人種差別という問題をテーマとし、2人はかけがえの無い友情を育んでいきます。

見どころ③:シャリーの圧倒的な演奏

シャーリーは、ホワイトハウスでも演奏したことがある天才黒人ピアニストです。
映画では、シャーリーの演奏シーンが、さまざまな場面で登場し、その迫力と美しさで観客の心を揺さぶります。
特に、ツアーの最終地であるノースカロライナ州グリーンズボロで演奏するシーンは、圧巻です。
シャーリーの演奏は、人種差別という困難に立ち向かうトニーとシャーリーの、新たな希望の象徴として描かれています。

映画『グリーンブック』
引用:映画『グリーンブック』公式X

映画『グリーンブック』のあらすじ・ネタバレ

あらすじ①:二人の出会い

1962年、ニューヨーク。イタリア系アメリカ人のトニー・バレロンガは、ニューヨークのナイトクラブの用心棒として働いていました。しかしクラブが改装のため2ヶ月間閉鎖すると知り、トニーは妻ドローレスと2人の子供たちを養うために仕事を求める。
トニーは、友人からある“ドクター”がドライバーを探していると紹介される。興味を持ったトニーは、面接に向かいます。
そこで、南部でのコンサートツアーを計画する黒人ピアニスト、ドクター・シャーリーと出会います。シャーリーは、南部へのコンサートツアーを計画しており、ツアーに同行するドライバー兼ボディガードを探していました
お互いの条件が食い違い、一度トニーは断り帰宅しますが、シャーリーはトニーに電話し彼の条件を受け入れたいと伝える。トニーの用心棒としての実績に興味を持ったシャーリーは、トニーを採用したい旨を伝え妻ドロレスに電話をかけて2ヶ月家を離れることを確認しました。ドロレスはトニーが連れ出されることを承諾し、寂しい気持ちになるも、手紙でやり取りすることを約束し了承しました。
こうして、トニーとシャーリーの運命の出会いが始まります。

映画『グリーンブック』
引用:映画『グリーンブック』公式X

あらすじ②:ツアーの始まり

コンサートツアー出発当日、トニーはレコード会社からシャーリーが1つでも出演を見逃したら給料なしと告げられ、黒人旅行者向けの宿泊施設情報が載った『グリーンブック』を手渡されます。
トニーは家族に別れを告げ、ドクター・シャーリーと南部へ向かいます。
シャーリーは出発時、トニーにピアノはスタインウェイ、毎晩部屋にウィスキー、車内では禁煙・静寂にするなどいくつかの指示を出しました。

1つ目の会場につき、シャーリーのコンサート会場には富裕層の客が押し寄せます。
トニーは言葉遣いが悪くシャーリーに入場を断られますが、会場の窓から初めてドクターのピアノ演奏を見ると、トニーはその驚異的な才能に感動します。
演奏は期待以上で、トニーはその日の夜に妻に手紙でシャーリーーの演奏がいかに素晴らしかったかを綴りました。

一方で、旅の中でアメリカ南部の差別が厳しく、シャーリーはピアノにゴミを散らばらせる仕打ちを受けます。用心棒として、ピアノをスタインウェイに変えるよう頻繁に注意し、シャーリーのツアー動向のしごとを遂行します。

映画『グリーンブック』
引用:映画『グリーンブック』公式X

あらすじ③:芽生える友情

移動中、トニーはケンタッキー・フライドチキンを見つけます。ケンタッキーを食べたことのないシャーリーに対して面白半分で彼に食べさせると、嫌がりながらも美味しそうに食します。
ホテルに到着し、トニーはドロレスに手紙を書きます。しかし、教養がなく手紙が苦手な彼のために、シャーリーはロマンティックな手紙に変えるためのアドバイスをします。

ある夜、シャーリーが一人でバーに行くと、白人たちから差別的な暴行を受けます。電話でシャーリーが暴行を受けていることを聞いたトニーはすぐに駆け付け、シャーリーを救出します。
そしてそれ以降、夜に一人で出歩かないことを約束します。

次の公演は、派手なパーティーでのピアノ演奏です。休憩中、会場でトイレに行こうとするシャーリーをスタッフが外にある黒人専用のトイレにシャーリーを案内します。それを拒んだシャーリーはモーテルに戻って用をたすとにします。トニーの車で戻る途中、トニーは林で用を足せばいいと提案しますが、シャーリーはそれを許さず、トニーの発言に怒りをぶつける。
トイレを済ませ、パーティーに戻ったシャーリーはひどい扱いを受けながらも白人の人々と笑顔で握手しますが、トニーはその様子を見て理解に苦しみます。

映画『グリーンブック』
引用:映画『グリーンブック』公式X

あらすじ④:続く人種差別

新しい州に向かい、舞台のスーツを新調しようとするシャーリーでしたが、黒人だからという理由で試着を拒否され店を後にします。
その日の公演も無事に終えホテルに戻ったトニーでしたが、警察からシャーリーが捕まったと電話が有り駆けつけます。
トニーはシャーリーの解放を要求するも警官は耳を貸しません。トニーは結局金で警察を買収してシャーリーを救いました。
帰り道、シャーリーは警官を買収したことに対して非難し、口論になります。一人で外出しないよう言われていたシャーリーは、男と体の関係を持っていることをとに~に知られたは有りませんでした。

次のコンサートに向かう途中、白人警察に止められトニーとシャーリーは職務質問を受けます。トニーのドライバーとしての役割に疑問を抱いた警官が彼のイタリア系名を聞き、「半分黒人か?」と差別的な発言します。トニーは警官に殴りかかり逮捕されました。一緒にいたシャーリーも巻き込まれ、雨の中で車から降ろされてしまいます。
二人とも逮捕され、シャーリーも無実ながら同じく刑務所へ行きます。シャーリーはは暴力は敗北だと説き、司法長官のロバート・ケネディに電話して交渉し、なんとか二人は釈放されることになります。

映画『グリーンブック』
引用:映画『グリーンブック』公式X

あらすじ⑤:ツアー最後のコンサート

ついに2人は最後のコンサートへ向かいます。
会場につくとレストランで食事をしようとしますが、シャーリーは黒人だからと言う理由でレストランから入店を拒否されます。
トニーは金で解決しようとするが、シャーリーが拒否し黒人専用のレストランへと向かうことになります。
そこでシャーリーは店内にあったピアノで素晴らしい演奏をし、周りの黒人たちから称賛を浴びます。その後トニーとシャーリーは最終のコンサート会場に戻ることはなく、にニューヨークへ帰ります。

トニーは家に寄るよう言われるが、シャーリーは「メリークリスマス」と伝え、車で帰宅します。2か月ぶりの帰還に家族は歓喜し、トニーも喜びます。親戚が旅の話を聞く中でシャーリーに対しての差別的な発言に、「それは止めろ」とトニーは強く言い切ります。ドロレスは夫の成長に微笑みます。
一方シャーリーはクリスマスにも関わらず寂しい一人の家へ帰宅します。するとトニーの家に近所の老夫婦が訪れ、クリスマスパーティーへ誘うと同時に、シャーリーが扉の前に現れ、彼もトニーの家を訪れました。トニーは歓迎し、家族に紹介すると皆はドシャーリーを受け入れてくれました。
ドロレスも優しくハグし、シャーリーがトニーの手紙を手伝っていたことに気づいていたため、「手紙をありがとう」と感謝の言葉を贈りました。

映画『グリーンブック』
引用:映画『グリーンブック』公式X

映画『グリーンブック』まとめと感想

人種差別を題材にしている映画はいくつかあると思いますが、『グリーンブック』は特にリアリティがありました。
キャストの演技もそうですし、当時のアメリカ南部での状況がリアルに描かれていました。
現代社会(特に日本)では全く想像もできないような場面も多々有り、当時の人種差別の卑劣さを痛感しました。

その中でも、シャーリーを支える勇敢なトニー、またトニーの至らない点をフォローするシャーリーの友情の姿には心を打たれます。
実話をもとにしているという点も、見る人をより感情移入させると思います。
気になった方はぜひ見てみてください!とてもおすすめです!

映画『グリーンブック』予告