映画『ムーンライト・シャドウ』のあらすじ・キャスト・ネタバレ・見どころと感想までご紹介!

映画『ムーンライト・シャドウ』 ムーンライト・シャドウ

吉本ばなな原作の短編小説を映画化、2021年に公開された作品。
恋人や家族の死の悲しみから立ち直ろうとする人物をヒロイン小松菜奈が演じる。
「月影現象」という、満月の夜が終わる瞬間に死んだ人と出会える現象を信じ、死の克服をするために葛藤する人々の姿を描いている。

映画『ムーンライト・シャドウ』の作品情報

公開日2021年9月10日
上映時間92分
監督エドモンド・ヨウ
キャスト小松菜奈、宮沢氷魚、佐藤緋美 ほか
原作吉本ばなな
脚本高橋知由
制作国日本
主題歌小袋成彬『Parallax』

映画『ムーンライト・シャドウ』の登場人物(キャスト)

さつき:小松菜奈
恋人の死に苦しむ女性。
麗との出会いを通じて、死の克服と再生を追求する。

等:宮沢氷魚
さつきの元恋人。交通事故でなくなる。

柊:佐藤緋美
等の弟。
愛する恋人と兄を同時に亡くした17歳の少年。心の喪失を受け止め、再生を追求する。

ゆみこ:中原ナナ
柊の彼女。
車の事故で命を落とす。

蛍:吉倉あおい
充:中野誠也
麗:臼田あさ美

映画『ムーンライト・シャドウ』
映画『ムーンライト・シャドウ』公式X

映画『ムーンライト・シャドウ』の簡単なあらすじ

映画『ムーンライト・シャドウ』は、突然の事故で恋人を失ったさつきが、深い悲しみと向き合い、再生していく物語。

さつきは、等という青年と出会い、交際していました。しかしある日、等と彼の弟・柊の恋人・ゆみこが事故で命を落としてしまう。深い悲しみに打ちひしがれるさつきは等との思い出の場所を訪れ、そこで不思議な女性・麗と出会う。
一方、柊もまた、兄と恋人の死を受け入れられずにいた。さつきと柊は、互いに支え合い、喪失の痛みと向き合っていく中で、次第に新しい人生への希望を見出していく。
さつきは生前のゆみこから聞いた“月影現象”に惹かれる。”月影現象”は満月の夜の終わりに、死者に会うことができるかもしれないという不思議な現象。さつきはこの現象を通じて、等と再び出会うことができるのではないかと考える。
映画は、さつきと柊の心の葛藤と成長を、美しい映像と音楽で表現しています。死と再生、そして愛と希望を描いた感動的な作品である。

映画『ムーンライト・シャドウ』の見どころ

見どころ①:吉本ばななワールドを再現

本作は、吉本ばなな原作小説の世界観を忠実に再現している。光と影のコントラストが美しい映像は、幻想的な雰囲気を醸し出し、観客を物語の独特な世界観へ引き込む。
印象的なのは、さつきが月影現象に導かれるシーンだ。満月が照らす夜空を背景に、さつきは等との思い出の場所を歩き、彼の幻影と再会する。
また、映画を通してセリフが少なく、時間がゆったりと流れる。この静寂の中に、言葉では表現できない美しさがあり、観る人の想像力を刺激し、心に残る作品となっている。

見どころ②:死と再生、愛と希望を描く感動的なストーリー

本作は、愛する人を失った人々が、悲しみと向き合い、乗り越えていく物語。死というテーマを扱いながらも、希望に満ちたストーリーは、観る者の心に残る。
特に印象的なのは、さつきと柊が互いに支え合い、成長していく姿。二人は、喪失の痛みを乗り越え、新しい人生への一歩を踏み出す決意をする。その姿は、観る者に勇気を与えるものとなっている。

見どころ③:小松菜奈と宮沢氷魚の瑞々しい演技

主人公さつきを演じる小松菜奈は、愛する人を失った悲しみと葛藤を繊細に表現している。等役の宮沢氷魚も、さつきを優しく包み込むような温かさを持ち演じている。二人の瑞々しい演技は、観る者の心を揺さぶります。
特に印象的なのは、さつきと等が再会するシーン。幻想的な世界の中で、二人は愛を確かめ合い、互いの存在の大切さを実感する。

映画『ムーンライト・シャドウ』
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映画『ムーンライト・シャドウ』のあらすじ・ネタバレ

あらすじ①:出会いと月影現象

作品は、さつきという女性が等との思い出を話すシーンから始まる。
女子大生のさつきは、等という男の子を付き合っていた。さつきが飼い猫を河川敷で探していると、

ある夜、すすきが生える河原にさつきがいると、そこに等が通りかかる。等は枯れたすすきの枝に鈴がついているのを見つけ、それを手に取る。歩いていった先にはさつきがいた。この鈴の音をさつきが聴いたことが、さつきと等の出会いのきっかけであった。さつきと等は瞬く間に恋に落ち、交際をスタートする。さつきは、等の弟・柊とその恋人のゆみことも意気投合し、4人で一緒に楽しい時間を過ごすようになった。
そうして4人でこたつを囲んでいるときにゆみこが”月影現象”の話しを始める。月影現象とは、満月の夜が終わるときに、亡くなった人に再び会うことができるという現象である。
そこで4人は月影現象について話し、お互いに会いたい人の話しをして楽しんでいた。等は中学の時の理科の先生に、ゆみこは母方のおばあちゃんに、柊は会いたい人はそばにいるから今はいないと答えるのであった。

映画『ムーンライト・シャドウ』
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あらすじ②:突然の別れ

そんなお互いの恋人と、そして4人で一緒にいる時間を楽しい時間を過ごしていたなかで、さつきの元に柊から電話がかかる。その電話は、等とゆみこの訃報を知らせるものであった。
ゆみこが柊と家で遊んでいたときに、柊が寝てしまって等が車でゆみこを送ることになった。そして、その道中に事故で2人とも亡くなってしまった。さつきは最後に等と最後に会った橋の上を通るたびに、息苦しくなり膝をついてしまうほどにショックを受ける。柊も同じく、ゆみこの死にショックを受け、彼女の生前の制服を着るなどして彼女の死を受け入れようとする。
そんな時、さつきはランニング中に橋の下に謎の女性、麗と出会う。麗は人の声を集めている女性だという。さつきは、麗に対して声を出してみないか、と言われ何を話しても良い、とだけ伝えた。さつきは、等との思い出を思いのまま話し始めた。
そこで、等の死から感じていたことを打ち明けられたさつきは、気持ちが楽になり全く喉を通らなかった食事ができるようになった。

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あらすじ③:幻想的な再会

柊は麗に対して、月影現象を知っているかと尋ねる。月影現象には案内人が必要で、それが麗ではないのかと考える。麗もその言葉を信じ、自分が案内人で有ることを悟る。麗は明後日の朝、橋の下に来てほしいと伝える。柊は、2人の死が自分の責任であると考えていたので、すぐに行くとは返事をできず考えさせてほしいと伝えてその場を去ってしまう。
柊が去ってしまった後、さつきは等のことを知らないことがまだまだあり、それを知りたいから会いたいと麗に話すのであった。
翌日、さつきは部屋においていた思い出の鈴をなくしてしまう。更には不運が重なり、その日の夜に28度を超える光熱を出してしまった。月影現象は翌日の朝。体調がよくにさつきの眼の前に突如麗が現れる。麗は今が一番しんどいから、しっかり安んでと伝える。
時を同じくして前日の夜、柊はまだ月影現象に行くか悩んでいた。ゆみこの動画をみながら、放心状態で何も考えられていない様子であった。

あらすじ④:月影現象と再会

そして当日の朝、麗とさつきは橋の下へ向かう。するとそこには柊の姿があった。心に整理をつけて、ゆみこに会いに来たのだ。夜明け前の河川敷で、柊が歩いているとそこに突如ゆみこが姿を現した。ゆみこは柊にほほえみながら手を差し伸べ、得意だったダンスを一緒に踊り始める。柊は自分のせいでゆみこを死なせてしまったと思っていたが、ゆみこの顔からは優しさが溢れていた。
そしてさつきは、河川敷を歩いていると突然昨日無くした鈴の音が聞こえる。振り返ると、そこには等がいた。等はさつきの方に歩み寄り、優しく微笑んだ。

故人である恋人と再会できたさつきと柊は、次の未来に向かって力強く生きていくことを心に決めるのであった。

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映画『ムーンライト・シャドウ』まとめと感想

吉本ばななさんの作品は読んだことがないのですが、『ムーンライト・シャドウ』は独特な世界観で個人的にはとてもおもしろかったです。
言葉が多いわけではないですが、演者によって登場人物の心情が細やかに表現されていました。
気になる人はぜひ見てみてください!

映画『ムーンライト・シャドウ』予告