『余命10年』は、2007年に小坂流加原作のベストセラーを2022年に映画化した作品。
主演は小松菜奈と坂口健太郎が務める。余命10年を宣告された女性が、中学の同窓会で出会った男性と恋に落ち、一生懸命に生きる姿を描いている。
映画『余命10年』の作品情報
公開日 | 2022年3月4日 |
上映時間 | 125分 |
監督 | 藤井道人 |
キャスト | 小松菜奈、坂口健太郎、山田裕貴 ほか |
原作 | 小坂流加 |
脚本 | 岡田惠和、渡邉真子 |
制作国 | 日本 |
主題歌 | RADWIMPS『うるうびと』 |
映画『余命10年』の登場人物(キャスト)
高林茉莉:小松菜奈
主人公の女性。
難病を抱えながらも懸命に生きる姿を通して、命の尊さや愛の大切さを伝える存在。
真部和人:坂口健太郎
茉莉の恋人。
茉莉の病を受け止め、共に生きることを決意し、茉莉に生きる希望を与える。
富田タケル:山田裕貴
茉莉と和人の同級生。
2人ん友人、そして理解者として支える存在。
藤崎沙苗:奈緒
三浦アキラ:井口理
桔梗:黒木華
平田先生:田中哲司
百合子:原日出子
梶原:リリー・フランキー
豊明久:松重豊
映画『余命10年』の簡単なあらすじ
20歳の高林茉莉は、数万人に一人という不治の病に冒され、余命10年を宣告される。生きることに執着しないよう、恋だけはしないと決意した茉莉でしたが、地元の同窓会で真部和人と再会し、恋に落ちてしまう。
和人もまた、生きることに迷い居場所を見失っていた。そんな中、茉莉と出会い互いに惹かれ合った2人は、ありふれた毎日が嘘のように輝き始める。しかし、茉莉の病状は徐々に悪化し、和人は愛する人の命が刻一刻と失われていくことを目の当たりにする。
茉莉は、残された時間を懸命に生きようと、旅行に行ったり、仕事を始めたり、和人とたくさんの思い出を作る。一方、和人は茉莉の病を受け止め、支えようとしますが、無力感に苛まれ日々が続いた。
2人の時間は限られていましたが、愛を深め、支え合い、共に生きていくことを決意するが、病魔は容赦なく茉莉を蝕んでいきついに別れの時が訪れます。和人は深い悲しみに包まれながらも、茉莉との思い出を胸に、前を向こうと歩み始める。
映画『余命10年』は、命の尊さ、愛の大切さ、そして生きることの意味を問いかけるてくれる、笑いあり、涙ありのストーリーは、観る人の心に深く響き、生きる勇気を与えてくれる作品。
映画『余命10年』の見どころ
見どころ①:小松菜奈と坂口健太郎の圧倒的な演技
本作は小松菜奈と坂口健太郎のW主演で、余命わずかな女性と彼女に寄り添う男性の10年間の愛を描いている。
小松菜奈は、明るく前向きながらも、病と向き合う葛藤を表現。坂口健太郎は、茉莉を支えようと奮闘する姿と、愛する人を失う恐怖を繊細に演じている。2人の息の合った演技は、観る者を物語に引き込み、感動を与えてくれる。
見どころ②:生きる意味を問いかけるストーリー
本作は、余命10年という限られた時間を生きる茉莉と、彼女を支える和人の姿を通して、生きる意味とは何かを問いかけている。
茉莉は、病を宣告された後、生きることに迷い、絶望するが、和人との出会いによって、再び生きる希望を見出そうとする。茉莉は旅行に行ったり、仕事を始めたりと、限られた時間の中で、懸命に生きようとするする姿が描かれている。
残りの人生で、生きる意味を見出そうとする茉莉の姿に感動と切なさを感じる作品となっている。
見どころ③:美しいい描写と音楽
本作は四季折々の風景を美しく描いている。特に茉莉と和人のスノボ旅行での雪のシーンは景色も含めて美しく描かれている。難病と向き合いながら、茉莉と和人の愛が季節と共に変化していく姿が感動的です。
また、音楽は人気ロックバンドRADWIMPSが携わっており、本作のために書き下ろした主題歌「うるうびと」をはじめ、劇中に流れる音楽を制作し、作品に彩りを与えている。
映画『余命10年』のあらすじ・ネタバレ
あらすじ①:運命の再会
20歳の茉莉は、10年生きられる人がほとんどいないという重い病気を幼い頃から患っていた。長い間入院生活を送っていたが、病状が安定し無事退院することができた。茉莉は友人が退院パーティーを開いてくれたり、体が弱い中でも働ける自分の職場のライターの職を沙苗が紹介してくれたりと、徐々に普通の生活を取り戻していった。
そんな茉莉のもとに、ある日中学校の同窓会の招待状が届く。茉莉は退院したものの、病気を患って以降生きる希望を失っていた。そんな茉莉にとって久しぶりに会う友人は何も考える必要がなく魅力的に感じ、参加することを決める。
同窓会に参加した茉莉は、楽しい時間を過ごす。当時のタイムカプセル開封を開封し、みんなでかつての思い出に浸っていた。その場に一人馴染めずに飲んでいる和人の姿があった。茉莉は当時の和人の印象はあまり残っていなかったが、居酒屋を出た後に人見知りを隠すために飲みすぎた和人の介抱をして、思い出話をした。
それが、2人の運命の再会であった。
あらすじ②:恋のはじまり
ある日、茉莉のもとに同窓会に参加していたタケルから電話がかかる。その電話は、和人がマンションの自室から飛び降り自殺を図り入院している、お見舞いに来てほしいという内容であった。
茉莉は急いで病院へ行き、和人の病室に向かう。そこにはタケルの姿だけが有り、家族や他の友人の姿はなかった。そこで和人は、親とは絶縁し、仕事も無職で生きていても希望がないと伝えるので会った。その言葉は重い病気を患っている茉莉にとっては和人に対しての失望の感情をいただくものであった。茉莉は和人に対し、「それってすごくずるい」という言葉を残し、すぐに病室を去った。
後日、和人は病院内で茉莉と茉莉の母の姿を見かける。その時に和人は茉莉の母親が病気でその付添に茉莉が来ていたのだ、と勘違いをする。その時にお見舞いにいてくれた時の茉莉の言葉を思い出し、自分が放った言葉が茉莉を失望させてしまった理由を察したのだった。
和人が無事退院した当日、和人とタケルから茉莉の元へ電話が来て、退院祝に誘う。3人で居酒屋で退院を祝っている仲、和人は入院中の自分の発言に対して謝罪をすると、茉莉は笑って許してくれるのであった。
飲み会の帰り道、和人は前向きに生きていくと決心し、茉莉もそれを応援する言葉を送った。
あらすじ③:深まる仲
茉莉は決まった職場で本格的に働くこととなった。和人も新しく見つかった自分のお店を出すという夢に向かってまずはバイトを初めて歩みだしていた。お互いに前に進んでいる姿は輝いて映り、茉莉は退院してから和人、タケル、沙苗など友人たちと楽しい日々を過ごす。
茉莉と和人の仲は徐々に深まっていき、和人は茉莉に対してどんな存在化と訪ね、好意があることを伝える。しかし病気のことで恋人を持つことに前向きになれなかった茉莉は何も答えられずに和人の元を後にする。その日の夜、茉莉は鏡の前で手術痕を悲しそうに見つめるのであった。茉莉の病状は、徐々に悪化していくのであった。
後日再び会った際に、和人は自分の想いを伝えた。どうしても前向きに考えられない茉莉は強引に断ったが、その時に病気の症状が出てしまい道端で倒れる。病院に搬送されて、目が冷めた時には和人が見守ってくれていた。茉莉は病気のことを和人に伝え、もう合わないでほしいと言った。その時に、自分の命が長くないことまでは伝えることができていなかった。
茉莉は、家族から病気を治すために病院を変えてはどうかと提案されるが、どうしても前向きになれず強い口調で断ってしまった。
あらすじ④:真実を知る和人
その日の夜、茉莉は生きる希望が持てず1人で居酒屋でお酒を飲んで悲しみに涙してしまう。時を同じくして、伝えたい想いがあり茉莉を探し回る。居酒屋を後にした茉莉を和人が見つけ、夢と茉莉への想いを伝えた。恋にびとを作らないと決めていた祭りだが、「同窓会に行くんじゃなかった」と言いながら笑って和人の告白を受け入れる。こうして、2人の幸せな日々が始まったかに思えたが、茉莉の病状は悪化が止まらない。
2人はスノボ旅行に行くことになった。事前に病院で旅行の注意点を先生から聞くが、そのときにも茉莉は生きる希望を見いだせてはおらず、諦めの言葉を口にする。同じ場にいた母は、茉莉の悲しげな言葉に涙が止まらなかった。
スノボ旅行当日、2人は楽しい時間をすごし、唐突に和人はプロポーズをする。茉莉は「かっこいい男じゃないと嫌だ」と冗談交じりに笑い飛ばした。コテージで夜を過ごし、翌朝早い時間に茉莉は黙って1人でコテージを出た。物音に気づいた和人が後を追いかける。その時に、茉莉はついに病気のことと余命が少ないことを伝えた。現実を受け入れることができない和人を目の前にし、これ以上会えないことをあわせて伝えて和人の前を後にした。
あらすじ⑤:別れの時
旅行から家に帰り、茉莉は母にもっと生きたい、旅行行きたい、結婚したい、死にたくないと涙ながらに心の声を伝えた。母はその言葉を優しく受け止めた。
時は経ち、茉莉は入院生活を送り、和人は自分のお店を出すという夢を叶えるために進み、ついに自分お店を開くことができた。
入院中の茉莉は、自分の命が長くないことを悟り、今まで納めてきた思い出のビデオカメラを見返して、一つずつ削除していた。しかし和人との仲が深まった飲み会の帰り道の動画で、和人に対して「もう二度と死似たいと言わないで」と和人に言葉を置くた動画だけ消すことができなかった。
同じ時に、和人は茉莉が仕事で書いた小説『余命10年』を読んでいた。そこには、和人に対しての想いが綴られていた。和人はそれを読んですぐに茉莉の入院している病院に足を運んだ。茉莉は寝ていたが、和人の問いかけで目を覚まし、優しい眼差しで見つめ合うのであった。
その後茉莉は息を引き取った。映画は、和人が茉莉のくれた思い出と夢を胸に、未来に向けて進み出すシーンで幕を閉じる。
映画『余命10年』まとめと感想
映画『余命10年』は自分の生きる意味を本当に考えている男女2人の物語でした。小松菜奈と坂口健太等の演技や、演出もとても良かったですが、メッセージ性もあり個人的にはすごく好きな映画でした。
何気なく過ごしているような日常でも、自分の中で意味を持っていることが大事だと改めて感じました。
興味のある人はぜひ見てみてください!