映画『オットーという男』のあらすじ・キャスト・ネタバレ・見どころと感想までご紹介!

映画『オットーという男』 オットーという男

『オットーという男』は、フレドリック・バックマンの小説『幸せなひとりぼっち』を原作とした、アメリカ合衆国のコメディドラマ映画。
物語は、ペンシルベニア州ピッツバーグ郊外に住む63歳の寡夫、オットー・アンダーソンを中心に展開される。オットーは最愛の妻を亡くし、仕事も失い、孤独と悲しみに苛まれる。自殺を試みるも、向かいに引っ越してきた隣人たちに邪魔され、意外な友情が芽生える。トム・ハンクスが主演兼製作を務め、感動的なストーリーとなっている。

映画『オットーという男』の作品情報

公開日2023年3月10日
上映時間126分
監督マーク・フォースター
キャストトム・ハンクス、マリアナ・トレビーニョ ほか
原作フレドリック・バックマン
脚本デビッド・マギー
制作国アメリカ
主題歌Rita Wilson, Sebastián Yatra『Til You’re Home』

映画『オットーという男』の登場人物(キャスト)

オットー・アンダーソン:トム・ハンクス
主人公であり、町内一番の嫌われ者。
頑固で融通が利かず、近所の人々に迷惑をかけながらも、孤独と喪失感に苦しむ人物。

マリソル:マリアナ・トレビーニョ
オットーの隣家に引っ越してきた陽気で人懐っこい女性。
オットーとは正反対の性格で、彼の殻を破り、オットーの考え方に大きな影響を与える人物。

トミー:マヌエル・ガルシア=ルルフォ
マリソルの夫で、二人の娘を持つ父親。
陽気で社交的な性格で、彼もオットーとは対照的な人物。

ソーニャ:レイチェル・ケラー
オットーの亡き妻であり、彼に深く愛されている人物。
オットーの回想シーンやセリフを通して、オットーにとって大切な存在であったことが描かれる。

若き日のオットー:トルーマン・ハンクス

映画『オットーという男』の簡単なあらすじ

オットーは、町内一の嫌われ者で、いつも仏頂面。曲がったことが大嫌いで、近所をパトロールし、ルールを守らない人には説教三昧。挨拶をされても無視、野良猫には八つ当たりと、とにかく面倒で近寄りがたい存在。
そんなオットーは、最愛の妻に先立たれ、仕事も失い、孤独と絶望に苛まれていた。自らの人生に終止符を打とうと決意し、何度も自殺を試みる。
しかし、向かいに越してきた陽気で人懐っこいマルソル一家とその子供たちによって、オットーの計画はことごとく邪魔される。世間知らずで自由奔放なマルソルは、オットーに子守や苦手な運転を頼み、オットーは困惑しながらも、次第にマルソル一家に心を開いていく。
マルソル一家との交流を通して、オットーは過去の思い出と向き合い、妻への深い愛情と後悔を再認識していく。また、マルソルや娘たちとの触れ合いを通して、再び生きる喜びを見出していく。
頑固だったオットーは、徐々に周囲の人々に心を開き、助けを求めることを学ぶ。そして、町の人々と協力して、マルソル一家を助けるために奔走を始めた。

オットーは、過去にとらわれず、未来に向かって歩み始めることを決意し、孤独だった彼の心には、再び温かい光が灯されていく。
この映画は、人生に絶望した男が、周囲の人々との関わりを通して、再び生きる希望を見出す感動的なヒューマンドラマ。ユーモアと温かさに満ちたストーリーは、観る人の心に深い感動を与えてくれる作品となっている。

映画『オットーという男』
引用:映画『オットーという男』公式

映画『オットーという男』の見どころ

見どころ①:トム・ハンクスの圧倒的な演技

主人公オットーを演じるのは、名優トム・ハンクス。頑固で偏屈なオットーを完璧に演じ、その心の奥底に潜む孤独や優しさを表現している。
特に、妻への深い愛情と後悔を表現するシーンは、観る者の心を揺さぶるほどのものとなっている。
トム・ハンクスがオットー役で主演兼製作を務めており、感情豊かな彼の演技で映画全体を引き立てている。

見どころ②:ユーモアと温かさに満ちたストーリー

オットーは、頑固で偏屈な性格で、周囲の人々に迷惑をかけることも少なくない。しかし、そんなオットーにもユーモアのセンスがあり、コミカルなシーンが物語を彩っている。特にオットーが近所の少年に説教をするシーンや、マルソル一家に振り回されるシーンなどは、コミカルでありながら、オットーの人間味を感じさせてくれる。
また、オットーがマルソル一家との交流を通して、徐々に心を開いていく様子にも表現されている。オットーがマルソルの娘たちと遊ぶシーンや、マルソル一家に助けを求めるシーンなどは、観る人の心を温めてくれる物となっている。

見どころ③:人生について考えさせられるメッセージ

この映画は、人生に絶望した男が、周囲の人々との関わりを通して、再び生きる希望を見出す物語となっている。オットーは、妻を亡くし、仕事も失い、孤独と絶望に苛まれていた。しかし、引っ越してきた隣人マルソル一家との交流を通して、人生にはまだたくさんの喜びや可能性があることを知っていく。
人生に疲れた人、心が温かい映画を観たい人にオススメの作品。オットーの再生を通して、人生の喜びや大切さ、人と人との繋がりについて考えさせられるメッセージが込められている。

映画『オットーという男』のあらすじ・ネタバレ

あらすじ①:孤独と絶望

オットーは、ペンシルベニア州ピッツバーグの閑静な住宅街に住む頑固で偏屈な老人。町内一の嫌われ者で、いつも仏頂面。曲がったことが大嫌いで、近所をパトロールし、ルールを守らない人には説教三昧。挨拶をされても無視、野良猫には八つ当たりと、とにかく面倒で近寄りがたい存在。
かつては自動車工場で働き、妻ソーニャと幸せな家庭を築いていたオットー。しかし、ソーニャが病に倒れ、オットーは仕事を辞めて介護に専念していた。そして、ソーニャが亡くなった後、オットーは生きる希望を失い、孤独と絶望に苛まれていた。
日々の生活は単調で退屈。唯一の楽しみは、亡き妻ソーニャとの思い出をアルバムで眺めること。しかし、その思い出はオットーの心を締め付け、生きる喜びを奪っていった。
オットーは、自らの人生に終止符を打とうと決意し、何度も自殺を試みますが、いずれも失敗に終わる。死ぬことさえも許されないという状況に、絶望感に襲われる。

映画『オットーという男』
引用:映画『オットーという男』公式

あらすじ②:陽気な隣人一家

そんなオットーの前に、陽気で人懐っこいマルソル一家が引っ越してくる。マルソルは陽気で社交的な性格で、オットーとは対照的な人物である。娘たちとの子育てに奮闘するマルソルは、オットーに子守や苦手な運転を頼み、オットーは困惑しながらも、次第にマルソル一家に心を開いていく。マルソル一家は、オットーの孤独な生活に変化をもたらすことになる。自由奔放なマルソルは、オットーの頑固な殻を破っていく。引っ越し早々に車の駐車ができない中、急にオットーに頼んだり、家を留守にする間に娘たちの面倒をお願いしたりしていた。
ソーニャが亡くなってから、生きる希望や喜びが人生になかったオットーにとって、マルソルと彼女の娘たちとの触れ合いは、オットーに再び生きる喜びを与え始めたのだった。

あらすじ③:過去の思い出

マルソル一家との交流を通して、オットーは過去の思い出と向き合い始める。オットーは昔のことを回想し始める。
若い頃、オットーは自動車工場で働いていて、そこで明るく活発なソーニャと出会い恋に落ちる。2人はデートでディナーを食べていたある日、ソーニャが急にキスをして交際が始まった。2人の交際は続き、オットーの大学卒業の日にオットーがプロポーズをし、結婚する事になった。
そんな回想から現実に戻ってきたオットーは、駅のホームに立っていた。すると横の老人が誤って線路に転落してしまう。みんなが動画を回している中、オットーは老人を助けるために線路に降りる。無事に老人を助けることができたオットーであったが、そこでもそのまま線路で死ぬことを考えてしまう。
しかし、そう考えるたびにソーニャとの記憶が蘇り、生きる道を選び続ける。
オットーはある日、マルソルと一緒に生前ソーニャとよく通っていたカフェに立ち寄る。そこでオットーは楽しそうにソーニャとの昔話を始めた。そこでマルソルがオットーにソーニャと子どもは作らなかったのか、と尋ねるがその質問を聞いた途端オットーは答えることなく足早にカフェを後にした。

映画『オットーという男』
引用:映画『オットーという男』公式

あらすじ④:変化と成長

頑固だったオットーは、徐々に周囲の人々に心を開き、助けることを始める。マルソルの運転の手伝いや、夫婦が2人でディナーに行く間、娘たちの世話をしたり、少しずつ表情にも変化が起きていた。感謝したマルソルがオットーの家を掃除して、ソーニャとの思い出も整理しないかと提案するが、オットーはそれを拒否する。オットにーとってはそれが酷く苦痛であった。丁寧心で言ったマルソルはオットーを不快にさせてしまったことに悔い、家から出てこないオットーを外で待ち続ける。しかしマルソルの心配をよそに、オットーはソーニャとの思い出を想起しながら家で再び自殺を図るが、ソーニャの言葉を思い出すと果たすことはできなかった。
次の日、友人のアニータが騙されて家を売ろうとしていることを知る。友人を助けるために、不動産会社に電話をするためにマルソルに電話を貸してもらうように頼みに行く。しかし、昨日オットーが急に追い出したことを指摘し、心を開いてくれないオットーに電話を貸すことを断る。オットーは、友人を守るために電話を借りたいことを隠さず伝え、借りることができた。
その時に、ソーニャが身ごもったまま事故にあい、子どもが亡くなりソーニャにも後遺症が残ったことも伝えた。オットーは、徐々に周囲の人に心を開き始めたのだ。

あらすじ⑤:生きる希望

オットーは不動産会社の不正を暴き、無事にアニータの家を守ることができた。オットーには、徐々に笑顔が戻り始めていた。そんな中、オットーは遺伝で心臓が大きくなる病になっており、急に倒れた。救急搬送され一命をとりとめたオットーのもとにマルソルが見舞いに来る。無事であったことを知り、マルソルは「また死ねなかったね」と笑顔で話しかける。同時に、マルソルは陣痛が来て身ごもっていた第三子が生まれた。
オットーは病状が安定し、退院をしてからマルソル一家をソーニャの墓へ連れて行く。ソーニャに嬉しそうに自分の友人を紹介するのであった。新しい自動車を購入したりと、希望に満ちて前向きに人生を再スタートさせていく。
そんなある日、いつも町の見回りをしているオットーの姿が見えないことにマルソル一家が気づく。オットーの家に急いで向かうと、そこには息を引き取ったオットーの姿があった。医者から先が長くないと知らされていたオットーは、マルソルに向けて手紙を書いていた。そこにはマルソルに向けた温かい言葉が綴られていた。

一度生きる希望を失ったが、ある一家と出会い再び生きる喜びを感じたオットー。自殺ではなく、前向きな気持で天国のソーニャの元へ旅立って言ったのだ。

映画『オットーという男』まとめと感想

映画『オットーという男』は、絶望の中でも、人との関わりのなかで生きる希望を見つけ、歩んでいくことの大切さを描いた物語でした。
生きていれば誰しもつらい瞬間が来ると思いますが、意固地にならず、周りの人に頼り頼られながら生きていくことは素敵だなと改めて感じさせてくれる作品でした。
興味のある人はぜひ見てみてください!

映画『オットーという男』予告