映画『きみに読む物語』は、1996年のベストセラー小説を基に、監督ニック・カサヴェデスによって2005年に映画化されました。
主演はライアン・ゴスリングとレイチェル・マクアダムスで、物語は1940年代のアメリカ南部で出会った若いカップルと、現代における彼らの老年期を交錯させる感動のラブストーリーです。映画は全米で81億の興行収入を達成し、監督の最高記録となりました。
ニコラス・スパークスの小説原作は実話を基にしており、作者の妻の祖父母がモデルとなっています。映画ではジーナ・ローランズが実母として出演し、その感動的な演技も注目を浴びました。
『きみに読む物語』は身分違いの愛と生涯かけた大恋愛を描いた珠玉のラブストーリーであり、MTVムービー・アワードで「ベストキス賞」を受賞するなど、観客を魅了しました。2004年のアメリカ映画として誕生したこの作品は、ロマンティックな世界を描きながらも、実話の温かみを感じさせる感動作として多くのファンを魅了しました。
映画『きみに読む物語』の作品情報
公開日 | 2005年 |
上映時間 | 123分 |
監督 | ニック・カサベテス |
キャスト | ライアン・ゴズリング、レイチェル・マクアダムス、ジーナ・ローランズ ほか |
原作 | ニコラス・スパークス |
脚本 | ジェレミー・レべン ジャン・サーディ |
制作国 | アメリカ |
主題歌 | 『I’ll Be Seeing You』 |
映画『きみに読む物語』の登場人物(キャスト)
ノア・カルフーン:ライアン・ゴズリング
本作品の主人公。 1940年代のアメリカ南部でアリーとの深い愛を描いており、彼の過去と現在を交錯させて進行します。
アリー・ハミルトン:レイチェル・マクアダムス
本作品のヒロイン。 認知症を患うも、ノアの語りかけによって過去のノアとの愛の思い出を思い出していきます。
アリー・カルフーン:ジーナ・ローランズ
アリーの母親。 ノアとアリーの恋を反対し、ノアからアリーに向けた手紙を隠し続けます。
ロン:ジェームズ・マースデン
アリーの婚約者。
裕福な家庭に生まれており、アリーの両親にも快く迎えられます。
デューク:ジェームズ・ガーナー
フィン:ケビン・コノリー
フランク:サム・シェパード
アン・ハミルトン:ジョアン・アレン
映画『きみに読む物語』の簡単なあらすじ
ある男がアルツハイマーを患った老婆に、ノアとアリーの深い愛の物語を話しながら展開します。
若き日のノアとアリーは社会的な障壁を超え、濃密な夏の日々を過ごしますが、運命によって引き裂かれます。アリーの両親は彼らの愛を認めず、アリーは戦争中の将校ハミルトンと結婚します。ノアはアリーを忘れることはなく、彼女の手紙を毎日書きますが、アリーはそれを知らないままでした。
しかし、ある日新聞に掲載されているノアを見たアリーは、ノアへの愛を思い出します。
ノアとアリーは再び出会い、過去の愛を取り戻します。しかし、アリーは夫との約束を守るために苦しむことになります。。。
物語は愛と運命、時間との闘いを描きながら、感動的なラブストーリーとして観客を引き込んでいます。
映画『きみに読む物語』の見どころ
見どころ①:時代や階級を超えた真実の愛
物語は1940年代のアメリカ南部で始まり、若きノアとアリーの愛が社会的な障壁に立ち向かう様子が描かれます。 二人の切ない出会い、別れ、そして再会を通じて、純粋で深い愛の力に触れ、心を打たれます。 登場人物たちの愛の営みが時を超えて通じる普遍的なテーマに触れながら、感動的なストーリーに引き込まれることでしょう。
見どころ②:美しい映像と風景
アメリカ南部の田園地帯や湖畔、古びた邸宅など、映画は息をのむような風景で満ちています。 特にノアの手作りの家や湖でのシーンは、愛の芽生えや喪失、再会といった感情の濃密な展開を包み込むような美しさがあります。これらの美しい映像を通して、物語の舞台となる独特の雰囲気を感じ、物語への没入感が一層高まります。
見どころ③:高い演技力
若き日のノアとアリーから老年の姿まで見事な変身を遂げ、キャラクターに深みを与えています。特に感情豊かな演技や繊細な表情、共感を呼ぶキスシーンなど、二人の演技は物語に感情の豊かさと深みを与え、見る人の心をつかみます。 この演技力の高さは愛と切なさをリアルに伝え、大きな感動を与える一因となっています。
映画『きみに読む物語』のあらすじ・ネタバレ
あらすじ①:二人の出会い・ノアの一目惚れ
物語は、老人男性(デューク)が認知症の女性患者に手記を読み聞かせる瞬間から展開します。
その物語は、ノアとアリーの愛の道程そのものでした。 デュークは現在、療養施設で老女に常に本を読み聞かせています。手記は1940年代のアメリカで、若い男女の愛の物語が綴られています。
17歳のアリーは裕福な両親とともに南部のシーブルックにある別荘を訪れます。彼女は一人っ子で大切に育まれた裕福なお嬢様です。ある日、ノアという青年が町の材木屋で働く中、アリーに一目惚れします。ノアは熱烈にアリーにアプローチし、デートを約束します。ふたりは迅速に親しくなり、お互いを大切に思い始めます。しかし、裕福なアリーと労働者のノアの身分差が問題となります。ノアはアリーには自由があると思っていましたが、実際には両親によって決まった人生の道を歩む運命でした。ふたりは喧嘩も経験しましたが、交際は順調に進みました。ある日、アリーの父ジョンがノアとの身分の違いを思い知らせる豪華なパーティに招待し、ノアはアリーの進学先が決まっていることを知ります。ジョンが話を遮り、「ふたりはひと夏の恋を楽しんでいる」と思い込む中、アリーとノアは毎日を共に過ごし、ある夜、廃墟の屋敷で遊びます。ノアはアリーにその土地を購入し理想の家を建てる夢を語ると、アリーは「家の壁は城で窓は青がいい」と答えました。
しかし、裕福な家庭であるアリーの両親はノアとの交際を認めず、深夜に遊びに出るアリーを見て強引にバカンスを中止しシーブルックをあとにすることになります。
あらすじ②:すれ違った二人
ノアはその後アリーに会えず、1年間毎日手紙を送りましたが、一度も返事がありませんでした。しかし、アリーの母親によって手紙が彼女の元へ届くことはなく、1年後にノアは感情を整理するために最期の手紙を書きました。
ノアはアメリカとドイツが戦争になり、ノアはアトランタに召集されます。同時に、アリーはボランティアで訪れた病院でロンという青年に出会い、恋に落ちました。ロンは富豪の子で、アリーの両親は結婚を許し、ふたりは婚約しました。
同じくして戦場から帰還したノアは父親の自宅に戻りますが、父は家を売却していました。ノアは戦争の復員手当とその金で農園を買うように言われ、念願であった土地を手に入れました。 そして建築許可を得るためにチャールストンへ向かうバスの中で、ノアは偶然アリーを見かけます。驚きと喜びに満ちたノアでしたが、アリーは既に婚約者のロンと一緒で声をかけることができませんでした。そして追い打ちをかけるように愛していた父が死亡し、ノアは心に深い傷を負いました。 それでもノアは家を建てればアリーが帰ってくると信じ、建設に専念して完成させましたが、アリーは戻って来ず、ノアは家を売りに出しました。美しいデザインの家に多くの買い手が現れましたが、ノアは最初から売るつもりはなく、断り続けました。 アリーは新しい人生を始めようとしている一方でノアは戦争で夫をなくした未亡人との身体的な関係に身を投じました。
あらすじ③:再開
アリーは結婚を控え、ウェディングドレスを選んでいる最中、新聞でノアの家が売りに出ている記事を見つけました。アリーはノアに会いたくなり、ロンに絵を描きに行くという嘘をついて、実際にはノアの元へ向かいました。 再会したアリーとノアは、7年ぶりの再会に感動し、お互いの愛情が再び燃え上がりました。ノアはアリーに手紙を書き続けていたことを打ち明け、なぜアリーが返信しなかったのかを問い詰めます。
そこで初めてアリーの母親が手紙を隠していた事実を知ります。
その晩、ノアの家には隣町の未亡人が現れます。ノアは待ち続けていた彼女が戻ってきたことを告げ、未亡人とは別れました。翌日、アリーの母アンがノアの家を訪れ、ロンも心配してホテルにいると教え、ノアから届いていた手紙の束を手渡します。 アリーはロンとの関係に終止符を打つ決意をし、ホテルに向かいますが、そこでロンから「ボクだけの君でいて欲しい」と告げられてしまいます。
アリーはノアが自分を忘れていたと勘違いしていたことを知り、動揺しますが、ノアの愛を確信し、結婚を決意します。
あらすじ④:奇跡のラストシーン
ここまで話したデュークはノートを閉じ、「アリーはロンのもとへ戻って、めでたしめでたしだよ」とその日の物語を締めくくろうといたします。 しかし、老女は「違う」とおっしゃいました。アリーはノアを選ばれたのです。そして、老女自身がアリーで、目の前のノアがデュークであることを思い出されたのです。ふたりは、喜びのあまり抱き合いました。
しかし、アリーにはアルツハイマーの病気が発症していました。思い出した記憶は、すぐに忘れられてしまうのです。
デュークは、ノアとアリーの愛の物語が書かれたノートをめくりました。そこには、こう書かれていました。
「愛の物語 アリー・カルフーン著 最愛のノアへ これを読んでくれたら、わたしはあなたの元へ」
翌日、デュークは心臓発作を起こしました。一命は取りとめましたが、デュークは自分の死期を悟られました。
デュークは、アリーのもとへ向かいました。眠っているアリーをそっと起こすと、「ノア」とアリーがおっしゃいました。アリーは、記憶を取り戻されていたのです。 ふたりは、愛を語り合い、手をしっかりとつないだまま、ともに深い眠りにつかれました。
翌朝、アリーの部屋に入ってきた看護師は、ふたりが亡くなっているのを見つけました。これが、ノアとアリーが起こした最期の奇跡となったのでした。
映画『きみに読む物語』まとめと感想
以上、『きみに読む物語』のあらすじでした。
ここでは伝えきれていないですが、描写もそうですし主演二人の名言も映画の各所で見られます。
また、実話をもとにしている映画とのことで、こんなにも純愛は二人がいるのか。。と本当に感動しました。
素敵な映画なので、興味のある人はぜひ見てみてください!