『アキラとあきら』は、池井戸潤の同名小説を基にした実写映画で、『ソラニン』の三木孝浩が監督を務めました。竹内涼真と横浜流星がW主演し、正反対な2人のアキラとあきらを演じました。共演陣にはKing & Princeの高橋海人、上白石萌歌、児嶋一哉、ユースケ・サンタマリア、石丸幹二らが出演しました。 物語は、山崎瑛(アキラ)と階堂彬(あきら)という2人の銀行員の逆転劇を描いており、彼らは正反対の環境で育ちました。アキラは町工場の倒産に苦しい幼少期を過ごし、一方、あきらは大手企業グループの御曹司であり、一族の権力争いに巻き込まれてきました。しかし、彼らは運命に導かれるように同じメガバンクに同期入社します。 2人は異なる信念を持ちつつも、トップバイヤーを目指し、困難に立ち向かいます。物語は、宿命的な壁に立ち向かう2人の奮闘を描いており、池井戸潤の世界観が炸裂する物語です。
映画『アキラとあきら』の作品情報
公開日 | 2022年8月26日 |
上映時間 | 128分 |
監督 | 三木孝浩 |
キャスト | 竹内涼真、横浜流星、高橋海人 他 |
原作 | 池井戸潤 |
脚本 | 池田奈津子 |
制作国 | 日本 |
主題歌 | back number「ベルベットの詩」 |
映画『アキラとあきら』の登場人物(キャスト)
山崎瑛:竹内涼真
町工場で育ち、銀行員としてメガバンクで働く主人公。貧しい幼少期からの経験を持ち、成功を目指し奮闘する。
階堂彬:横浜流星
大手企業御曹司で、一族の権力争いに巻き込まれた銀行員。アキラと対照的な環境から同期としてメガバンクで奮闘し、友として成長する。
階堂龍馬:高橋海人
階堂彬の弟。
幼いことから兄の彬と比べられ、常に対抗心を抱いている。
水島カンナ:上白石萌歌
水島カンナは、アキラとあきらの同期の銀行員で、アキラにとっての友人であり、彼女との関係が物語に影響を与える。
羽根田一雄:奥田瑛二
不動公二:江口洋介
工藤武史:満島真之介
保原茂久:塚地武雅
井口雅信:宇野祥平
階堂一磨:石丸幹二
階堂崇:児嶋一哉
階堂晋:ユースケ・サンタマリア
階堂聡美:戸田菜穂
山崎孝造:杉本哲太
山崎淑子:酒井美紀
映画『アキラとあきら』の簡単なあらすじ
『アキラとあきら』は、池井戸潤の同名小説を基にした映画で、正反対の環境で育った2人の銀行員、山崎瑛(アキラ)と階堂彬(あきら)の逆転劇を描いています。
アキラは町工場の倒産により辛い幼少期を過ごし、コツコツと努力を積み重ねながら、メガバンクに入社します。一方、あきらは大手企業グループの御曹司で、一族の権力争いに巻き込まれてきましたが、同じ銀行でアキラと出会い、同期入社します。 2人は対照的な信念と背景を持ちながらも、トップバイヤーを目指し、困難に立ち向かいます。彼らは銀行業界の競争や複雑な人間関係に直面し、信頼と友情を築いていきます。 物語は、彼らの奮闘、成長、そして宿命的な壁に立ち向かう姿を描き、池井戸戦略の元で銀行業界の内幕に迫ります。さらに、家族や仲間たちとの関係、人間ドラマも物語の重要な要素となっています。
『アキラとあきら』は、成功への道のりが決して平坦ではない現実をリアルに描きながら、努力と友情が克服できる力を示す感動的なストーリーとして評価されています。
映画『アキラとあきら』の見どころ
見どころ①:対照的なキャラクターと友情の成長
本作品の見どころの1つ目は、主人公のアキラとあきらが対照的なキャラクターであることです。 アキラは幼少期に困難な経験をしており、コツコツと努力を積み重ねて成功を目指す苦労人で、一方あきらは裕福な家庭の出身で、一族の権力争いに巻き込まれる御曹司です。作中を通して、常に他対象的に描かれている2人が、別の立場から同じ仕事に取り組み、友情を育てながら成長していく姿が描かれます。 異なるバックグラウンドを持つ2人の変化と挑戦を楽しむことできます。
見どころ②:銀行業界の舞台裏とビジネスのリアリティ
本作品では銀行業界の内部に深く入り込み、金融取引やビジネスのリアリティを詳細に描写しています。金融取引の複雑さや銀行業界の厳しい競争がリアルに表現され、ビジネスに興味を持つ観客にとっては特に魅力的です。銀行業界で働くバンカーがキャリアを成功させるためのリアルな描写が見どころです。
見どころ③:努力と友情のメッセージ
本作品は困難に立ち向かい、信頼と友情を築くことの大切さを強調する感動的なストーリーです。アキラとあきらは逆境に直面し、多くの困難を克服しながら、トップバンカーを目指します。努力と友情がどんなに困難な状況でも成功への道を開く力を示し、見ている人に勇気と希望を与える作品となっています。
映画『アキラとあきら』のあらすじ・ネタバレ
あらすじ①:2人の出会い
山崎瑛(アキラ)の故郷は伊豆の港町で、両親は地元の工場を経営していました。しかし、彼が小学生だった頃、その工場は倒産し、一家は借金取りから逃げざるを得なくなりました。
家を追い出され瑛が泣きじゃくりながらいると、従業員の保原が声をかけました。保原はキリスト教徒で、「人生にはさまざまな困難があるが、克服できない運命はない」と瑛に言い聞かせました。しかし、悔しさに駆られた瑛は、機材を積んだトラックを追いかけ、道路に飛び出してしまいました。
後ろから接近してきた高級車が急ブレーキをかけ、その車に乗っていたのは大企業「東海郵船」の御曹司である階堂彬(あきら)でした。瑛が握りしめていた部品が道路に転がり、彬はそれを拾い上げました。「大切なものかい?」「うん」と瑛が答えると、彬はハンカチで部品を丁寧に拭き、それを瑛の手に返しました。これが、アキラとあきらという、同じ名前を持ちながらも対照的な生い立ちを持つ2人の初対面の瞬間でした。
対照的に、彬は東海郵船の社長である階堂一磨の子供で、裕福な環境で都会で育ちました。彼は周囲から将来の会社の後継者として期待されていましたが、実際には親兄弟の間で会社経営についての争いが絶えないのを見て、会社に対する疑念を抱いていました。「こんな会社がなければいいのに」と彼は思っていました。
12年後、瑛と彬は共に産業中央銀行に入社した。新人研修の最終日には、瑛率いるチームと彬率いるチームがファイナルに進出した。
ファイナルでは、銀行と企業が対峙し、企業側は融資申請書を提出し、銀行はその書類を元に融資の可否を判断する。彬のチームは絶望的な経営状態だったが、融資を得るためにデータを操作し、黒字を装った。
しかし、瑛率いる銀行チームは提出されたデータの矛盾を見抜き、「融資見送り」と判定した。この対決は後に伝説として語り継がれ、瑛と彬の駆け引きは後輩たちにも伝説として語り継がれることとなった。
あらすじ②:瑛の信念
上野支店に配属となったした瑛は、地元の井口ファクトリーの融資を担当することになりました。彼は人を信じ、困難な状況でも親身になって相談に乗るバンカーとして知られていました。
ある日、井口ファクトリーの主要取引先が倒産し、工場は業績不振に陥りました。融資の担当者として、瑛は厳しい状況に直面しました。しかし、彼の上司である不動は冷徹で、融資を停止し、他行からの預金を引き寄せて融資金を回収することを命じました。しかし、瑛はその預金が社長の娘の難病治療費に充てられることを知っていました。彼は必死で融資を続けるよう懇願しましたが、相手にされませんでした。
瑛は幼少時のつらい経験から、他人に同じ辛い思いをさせたくないと強く感じていました。そのため、彼は井口社長に預金を急いで引き出すようアドバイスしました。しかし、この出来事が原因で瑛は地方支店に左遷されました。
その頃彬は順調にキャリアを築き、トップバンカーの道を着実に歩んでいました。左遷された瑛の理想主義に対しては呆れ顔で、厳しい言葉を投げかけることもありました。
しかし、瑛は自分の行動に1ミリも後悔の念を抱いていないと断言しました。その背後には、彼らを救ってくれたバンカー、工藤への感謝と憧れがありました。工藤のように他人を救うことに情熱を燃やすのが瑛の信念でした。
瑛は左遷された後も、自分の信念に従い精力的に努力し続けました。その結果、驚くべき成果を収め、本店に戻ることとなりました。
あらすじ③:東海郵船の経営難と彬の辞職
ある日、突然、彬の叔父たちである晋(東海商会)と崇(東海観光)は伊豆に高級リゾート施設の建設計画を発表しました。さらに、メインバンクを勝手に産業中央銀行から三友銀行に切り替え、東海郵船との関係を断つことを宣言しました。この発表に彬の父である一磨は驚き、反対の意を表明しましたが、叔父たちは耳を貸しませんでした。
4年後、彬は本社で順調に昇進し続けていましたが、父親の一磨が突然亡くなり、家族間で遺産相続の争いが勃発しました。この争いはますます悪化し、家族同士が互いに憎しみ合う状態に陥りました。
東海郵船の経営を引き継いだのは、彬の弟である龍馬でした。しかし、龍馬は兄の彬が銀行員として働くことを選んだことに不満を抱いていました。競い合いたいと思う彼は、経験不足と高いプライドから、東海郵船を危機に陥れてしまいます。
晋と崇、両親の兄弟は、リゾートホテルの開発計画で共同していました。しかし、経営が難航し、東海郵船の資金を利用することで問題を解決しようとしました。彼らは龍馬を挑発し、50億もの連帯保証金を要求し、東海郵船を危機に追い込みました。
その頃にはリーマンショックも起き、リゾート施設の赤字は拡大し続けました。
経営の責任を感じつつも、力不足を痛感した龍馬は病院に入院し、兄に東海郵船の経営を託す決断をしました。家族の危機に立ち向かうため、彬は銀行を辞め東海郵船の社長になる覚悟を決めました。
あらすじ④:稟議
彬が東海郵船の社長に就任すると、東海郵船の融資チームは水島カンナと山﨑瑛でした。
共に立ち向かう中で、最大の問題は伊豆のリゾート施設でした。彬はまずこれを売却しようと試みましたが、多額の負債を抱えた会社にとっては難しい問題でした。
それから瑛は、リゾート施設だけでなく、東海商会とセットで売却する提案をしました。大日麦酒が新しい繊維素材を開発したことから、東海商会の買収を持ちかけました。しかし、大日麦酒はリゾート施設を別売りし、東海商会だけを50億円で買い取りたいと申し出ました。連帯保証金が絡んでいるため、これは難しい条件でした。
最終的に、瑛が考案した稟議書では、産業中央銀行から東海郵船に140億円の融資を行い、東海郵船はこれを全額三友銀行への返済に充て、三友銀行との取引を終了させることが提案されました。融資の条件として、東海商会と東海観光は全株を東海郵船に譲渡し、関連会社をすべて傘下に収めることも含まれていました。
さらに、東海商会は50億円で大日麦酒に売却され、その全額が産業中央銀行に返済され、融資額は90億円に減額されました。これは東海郵船の業績に合わせた融資額であり、現実的な提案でした。また、東海観光は本社を東海郵船ビルに移転するなどして、年間約1億円の経費削減を行う計画も提案されました。
この提案に最初は拒絶をした崇と晋でしたが、家族としての結束を取り戻すことの重要性を理解しました。晋は以前の兄である一磨との舵に関する話を思い出し、家族の再結集を受け入れました。ここからは瑛が主導し、新しい稟議書を通して、東海郵船への融資と東海商会の売却、東海グループの一体化を実現させました。この過程で、アキラとあきらは再び伝説を生み出すこととなりました。
映画『アキラとあきら』まとめと感想
対象的パーソナリティを持ったな2人の『アキラとあきら』。
どちらの信念も素晴らしいと感じました。
融資などは普段自分が直接的に触れることは少ないのですが、金融ビジネスの裏にも友情や信念などの泥臭く素敵なストーリーがあることを気づかせてくれる作品でした。
互いのバックグラウンドを尊重しつつ、同じ目標に向かって熱量を持って進められるような人を私も目指します。。!